アルミニウム(英 Aluminium, 米 Aluminum)の歴史は、1807年、英国の学者に
よって発見された原子番号13の金属「アルミアム」から始まります。
1886年、米国人によって「電解製錬法」という製造方法が開発されると、多くの
優れた性質によって急速に需要を伸ばします。2008年には世界総生産量が
4,000万トンを超え、これは金属材料の中では鉄に次いで2番目と、
もはや世の中にとって不可欠な材料へと移り変わります。
そして、再生利用性の高いアルミニウムは国民性も手伝い日本は消費量で
世界第3位になります。
そのようなアルミニウムは金属材料のエースとして、宇宙開発から輸送、建築、
包装、日々の暮らしに至るまでの様々な分野で利用されています。
普段あまり意識する事はありませんが、現在においてはどこに居ても周りを
見渡すとアルミ製品が目に入ります。
アルミニウムとは、私達の豊かな暮らしと社会において、
もはや無くてはならない存在なのです。
アルミニウムの比重は2.7と軽く、鉄(7.8)や銅(8.9)と比較すると約1/3と非常に軽い金属です。小型化、軽量化による運輸コスト削減や性能の向上が叫ばれる昨今では時代のニーズにマッチした特性と言えます。
比強度と呼ばれる単位重量当りの強度が大きなアルミは建築物などの構造材料としても多く使用されています。特にリチウムを添加した新たな合金では航空機や大型構造物用の材料としても大変注目されています。
空気中で酸化皮膜を生成するアルミニウムは、その緻密で安定した皮膜自身により腐食を自然に防止します。この皮膜の自己補修作用だけで不足する場合は、当社の完全無害な独自技術「抗菌アルマイト」で安全に耐食性を高める事が出来ます。
アルミニウムは融点が低く、紙のように薄い箔から、複雑な形状の押出形材を容易に製造する事が出来ます。また二次加工も大変行いやすいという特性を持ちます。この為、あらゆる分野で極めて幅広い用途で使用されています。
導電体として非常に経済的な金属であるアルミニウム。電気伝導率こそ銅の約60%ですが、比重が約1/3ですので同じ重さの銅に比べて2倍もの電流を通すことが可能です。現在では高圧送電線の約99%で採用されています。
アルミニウムは非磁性体と呼び、磁場に影響されません。この為、パラボラアンテナや船の磁気コンパスといった計測機器や電子医療機器、メカトロニクス機器など繊細な機器へも幅広く利用されています。
鉄の約3倍の熱伝導率を持つアルミニウムは、同時に急速に冷えるという性質を持つ事にもなります。そのため冷暖房装置やエンジン部品、PCの放熱ヒートシンクや飲料缶といった熱を扱う分野でも目覚ましい活躍をしています。
よく磨いたアルミニウムは赤外線や紫外線、ラジオやレーダー等の電磁波など各種熱線をよく反射します。純度99.8%以上のアルミニウムでは放射エネルギーすら90%以上を反射。宇宙服の素材としても採用されています。
無害・無臭で衛生的なアルミニウムは重金属のように人体を害したり土壌をいためたりしません。様々な食品や医薬品の包装、飲料缶、医療機器および家庭用器物など健康の分野でも広く採用されています。
素地のままでも審美性に優れるアルミニウムですが、アルマイト処理などさまざまな表面処理を施すことによってより美しく、防食効果を高める事が可能です。当社の完全無害な独自技術「抗菌アルマイト」では安全に美しさを高められます。
腐食しにくく融点が低いため、使用後のアルミ製品でも溶かして、簡単に再利用することができます。その際に必要なエネルギーは新地金をつくる場合と比較してわずか3%程度。とてもエコで経済的な材料です。
熱帯もしくは亜熱帯地域に偏在するアルミニウムの原料鉱石ボーキサイト。この鉱石の世界における推定可採埋蔵量は270億トンとされ、100年以上可採と言われています。豊富な資源が長期的な安定供給を可能にします。